秘匿特権文書の返還認められず:Infor Global Soutions社 対 St. Paul Fire & Marine Ins.会社(2009年カリフォルニア州)

原告のInfor Global Solutions社(元E.Piphany社)と被告のSt. Paul Fire & Marine Insurance社の間で、契約違反を巡り争われたケース。秘匿特権の対象となるEメールを不注意により開示してしまった原告は、その返還を求めて保護命令を申請していた。

原告は、開示期限が迫る中、Microsoft Outlookで確認しなければならないPSTファイルが大量にあったためレビューを行うことができなかったと述べた。さらに、秘匿特権の対象となる文書が含まれていないという合理的な判断に基づき、これらの文書を含むDVDをレビューすることなく開示したと主張した。

FRE(連邦証拠規則)502条には、一旦開示してしまった秘匿特権文書を回収するための要件の一つとして、「秘匿特権文書の開示を防ぐための合理的な措置を講じること」が明記されているが、裁判所は、原告にそのような姿勢が見られなかったと述べた。また裁判所は、過去にレビュー・開示した文書に秘匿特権文書が含まれていなかったことから、今回の文書にも含まれていないであろうとの希望的観測を行ったことを原告が認めた点にも言及。さらに、原告が、当該ファイルを開く際に技術的問題があったことに関しても、被告への通知や締め切り延長の申し立てを試みなかったことも指摘した。以上から、裁判所は、原告がFRE502条で求められる「不慮の開示を防ぐための合理的な対応」の基準を満たしていないとし、開示した文書の秘匿特権を放棄したとみなすとの判決を下した。

Infor Global Solutions (Michigan), Inc. v. St. Paul Fire & Marine Ins. Co. (5:08-cv-02621): 米国裁判所データベースより

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03. 2010

LegalTech NY 2010に出展しました

今年も雪の舞い散る中、2月1日から3日までニューヨークで開催されたリーガルテクノロジー最大のイベント、LegalTech NYに出展しました。昨年から続く不況の影響により参加人数の減少も予測されましたが、ふたを開けてみると予想を裏切る盛況ぶりでした。正式な参加人数はまだ発表されていないものの、展示企業は数十社増え、会場内を回った印象だけでも昨年以上の活気を感じることができました。セミナー・展示ともに充実した内容だったという声が目立ち、毎年参加しているという関係者からは、この10年あまりで最高の盛り上がりだったとの感想を聞くことができました。今回は、この熱いLegalTechで注目を集めた話題を幾つか紹介します。

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02. 2010

データの重複排除によるコスト削減

昨年、eDiscovery Instituteが重複排除処理によるデータ削減に関する調査を実施し、18のベンダーによる回答を公開しました。今回は、この調査結果を元に、重複排除処理の効果と課題を比較します。

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01. 2010

2009年のEディスカバリーを振り返って

2009年も残すところ僅かとなりましたが、先日、今年のEディスカバリー(電子証拠開示)動向を振り返る調査結果がKroll Ontrack社より発表されました。

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12. 2009

ディスカバリー命令の意図的な違反:ジュニパーネットワークス社対東芝社(2007年テキサス州)

通信・ネットワーク業界大手の米国ジュニパーネットワークス社が、ノート型PCのメモリコントローラを巡る特許侵害で東芝社を訴えた判例。関連するBIOSソースコードの開示が争点となったが、裁判所からのディスカバリー命令に意図的に背いたとして、被告の東芝社が制裁を受けた。

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12. 2009

提出形式に関する事前協議の重要性2:Covad社対Revonet社(2008年ワシントンDC)

前回に引き続き、Covad社対Revonet社のケースを取り上げる。

<2009年~>
2008年12月に下された、被告Revonet社へのネイティブ形式でのEメール再提出命令(前回エントリー参照)に関し、原告Covad社は被告による当命令の不遵守を申し立てた。

原告が不服としたのは、今回新たにPST形式で出力された提出内容と、前回の紙媒体による提出内容に差異が見られた点である(具体的は明らかにされていないが、2回目のEメールの数が少ないと推測される)。これに対し被告は、前回使用した検索プラットフォームがHTML形式のみに対応していたため、今回はPST形式に対応した別のプラットフォームによる再検索*が必要となり、完全に同じ検索を行うことが出来なかったと反論。さらに被告は、2回の提出内容の差異比較を行うことは非常に困難であると主張した。

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提出形式に関する事前協議の重要性1:Covad社対Revonet社(2008年ワシントンDC)

カリフォルニア州の通信会社Covadが、コネチカット州のマーケティング会社Revonetによる顧客情報の不正使用を契約違反として800万ドルの賠償を求めた訴え。Covad社は、自社のIP電話サービスのマーケティングのため、顧客情報を始めとする企業情報をRevonet社へ提供した。両者は機密保持契約を締結していたが、Revonet社はCovad社の情報を自社の営業活動に利用しただけでなく、Revonet社の競合相手へ売却したとされる。eDiscovery(Eディスカバリー、電子証拠開示)ではこれまで主に関連文書の提出形式が争点となっており、現在も係争中である。

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10. 2009

開示側に求められるコスト削減の努力:Spieker対Quest Cherokee社(2009年カンザス州)

石油の使用料支払いを巡って争われている訴訟。電子証拠開示(eDiscovery、Eディスカバリー)による過度の負担を申し立てた被告のクエスト・チェロキー社の主張は退けられ、開示命令を求める原告の2度目の申し立て(Motion to compel production)が認められた。被告がEディスカバリーコスト削減の十分な努力を怠ったという判断に基づく決定である。

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10. 2009

米国トヨタの元内部弁護士が過去の電子情報開示を巡り同社を提訴

米国8月29日(金)、「Toyota Accused of Hiding Evidence」というニュースがメディアで一斉に流れました。この訴えは、2003年から2007年までカリフォルニア州トーランスのトヨタ・モーター・セールス社で顧問弁護士を務めたDimitrios P. Biller氏が、自身の携わったスポーツ用多目的車(SUV)横転事故に関する訴訟において、同社に不利な電子データを開示しないよう強要された上、それに対する抗議を続けた結果退職を強いられたとして、7月24日にロサンゼルス連邦地裁に提訴したものです。

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09. 2009

訴訟コストと訴訟対応費用削減のアプローチ

知財訴訟費用の膨大化

近年の調査によると、電子証拠開示手続き(eDiscovery)を必要とする知財訴訟案件の対応コストは、マイクロソフト社で10億円から20億円、オラクル社で16.5億円という膨大な数字となっています。この費用の内訳は、訴訟準備費用:10%、訴答手続き:10%、証拠開示:40%、審理:40%が平均と言われます。この費用のほとんどを弁護士事務所に支払うわけですが、弁護士事務所のコスト・コントロールへの取り組み次第でこの費用が大きく変化します。具体的には、弁護士費用自体の削減、弁護士との連携による訴訟の予算化およびディスカバリー業者の選定などがあります。

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09. 2009