米国トヨタの元内部弁護士が過去の電子情報開示を巡り同社を提訴
米国8月29日(金)、「Toyota Accused of Hiding Evidence」というニュースがメディアで一斉に流れました。この訴えは、2003年から2007年までカリフォルニア州トーランスのトヨタ・モーター・セールス社で顧問弁護士を務めたDimitrios P. Biller氏が、自身の携わったスポーツ用多目的車(SUV)横転事故に関する訴訟において、同社に不利な電子データを開示しないよう強要された上、それに対する抗議を続けた結果退職を強いられたとして、7月24日にロサンゼルス連邦地裁に提訴したものです。
同氏はSUVやトラックの横転事故に絡む訴訟対応を担当し、これらはすべてトヨタ側の勝訴や和解で決着しましたが、争点となった屋根の強度に関するテスト・設計データなどを開示しないようトヨタから圧力を受けたと同氏は主張しています。さらにこうした軋轢により精神的な衰弱に陥った同氏は、07年に370万ドル(約3億4000万円)の解雇手当を支給され退職に追い込まれたとしています。
本件の詳細な経緯と真相は、ヒアリングの行われる9月以降順次明らかにされるはずですが、このニュースは今後の日本企業の訴訟に大きな影響を与えることが予測されます。今回のニュースを受け、同社の過去の横転事故に関する訴訟を見直す動きが見られており、既にトヨタが過去の訴訟で違法に証拠を隠蔽したとする集団提訴が起こされています。同様に、本件の今後の動きによっては、トヨタの過去の何百というPL訴訟が再び審議に掛けられる可能性があります。さらに、このような動きはトヨタだけに限らず、弁護士の間からは日本の自動車業界全体の証拠開示体制を疑問視する声も上がっています。米国訴訟における日本企業全体の電子証拠開示(eDiscovery)体制の信頼性が問われ、法廷においてより厳しい姿勢が取られる可能性は十分に考えられます。本件の今後の動きには引き続き注目が必要となりそうです。
