ディスカバリー命令の意図的な違反:ジュニパーネットワークス社対東芝社(2007年テキサス州)

通信・ネットワーク業界大手の米国ジュニパーネットワークス社が、ノート型PCのメモリコントローラを巡る特許侵害で東芝社を訴えた判例。関連するBIOSソースコードの開示が争点となったが、裁判所からのディスカバリー命令に意図的に背いたとして、被告の東芝社が制裁を受けた。


東芝社は、BIOSソースコードを開示対象から除外する保護命令を裁判所に申請していたが、遅くともその申請が認められなかった2007年1月の時点から、当該ソースコードの開示義務を知りながら、開示を意図的に回避する決断を下したとされる。さらにその後のヒアリングにおいて、同社は自社が所有・管理する全ての関連証拠を開示したとし、未開示のソースコードは第三者の手元にあり開示することができないと述べた。しかしこの主張は同年4月に行われたソースコード設計者のデポジションにより覆され、実際は東芝社がこれらのソースコードを所有していることが判明した。

このデポジションを受け、原告のジュニパー社はコードの開示命令を申請、東芝社は開示の免除を求める申請(protective order)をそれぞれ行った結果、裁判所は原告の申請を認め、東芝社にソースコードの開示を命じた。東芝社は開示命令直後のヒアリングにおいて、ソースコードが第三者の手元にあり「unavailable(入手不可)」であるとの以前の陳述は言葉の誤りであり、本来は「irrelevant(関連しない)」という意図であったなどの苦しい弁論を行ったが、同カウンセル内の他の弁護士の陳述と矛盾するなどとして聞き入れられなかった。

以上の結果、裁判所は東芝社のディスカバリー違反には明確な意図・悪意があったとして、FRCP(連邦民事訴訟規則)37に基づく下記の制裁を命じた:

  1. 被告の予備尋問の時間を原告の半分にする。
  2. 陪審員選定の数を制限する(原告は陪審員リストから4名除外でき、被告は2名のみ)。
  3. 被告の冒頭陳述の時間を原告の半分にする。
  4. 被告の最終弁論の時間を原告の3分の1にする。
  5. 原告側の専門家への反対尋問を除き、専門家による証言を一切認めない。
  6. 被告が意図的に裁判所命令に背いた事実および、その事実を証人証言の判断材料として使用できる旨を陪審団に伝える。
  7. 本違反に関連する原告の弁護士費用を被告が負担する。

最後に裁判所は、より緩やかな金銭的制裁も検討したが、損害の大きさと今後の抑止効果を理由に、本ディスカバリー違反には厳しい制裁が必要であるとの判断を下したと締めくくった。

Juniper Networks, Inc. vs. Toshiba America, Inc. et al (2:05-cv-00479):米国裁判所データベースより



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12. 2009

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