2009年のEディスカバリーを振り返って
2009年も残すところ僅かとなりましたが、先日、今年のEディスカバリー(電子証拠開示)動向を振り返る調査結果がKroll Ontrack社より発表されました。
本調査によると、2009年も昨年に引き続き、ディスカバリー違反への厳しい制裁、当事者間同士の協力、Eディスカバリープロセスの透明性などが法廷で強調される傾向にありました。また、今年初頭の展望通り、2008年後半の改正を受け、FRE(連邦証拠規則)502の適用が進んだとの見方を示しています。
今年1月から10月31日までのEディスカバリーに関する108例の判決で問題となった項目を数字で見てみると、以下のようになります:
- 制裁を受けた割合–39%(違反内訳)
- 保全と証拠破棄–67%
- 提出・提出形式–17%
- その他のディスカバリー違反–17%
- 提出に関連する問題–27%
- 秘匿特権とその放棄に関する問題–12%
- 検索などのディスカバリープロセスの問題–12%
- コストの問題–4%
- コンピュータ・フォレンジックの手順と専門家の問題–4%
- 保全と証拠破棄の問題(制裁には至らなかったケース)–2%
- 開示対象範囲と証拠性の問題–1%
2006年12月のFRCP(連邦民事訴訟規則)改正から3年が経ち、Eディスカバリー市場は、新興成長市場から次の段階への過渡期を迎えています。こうした市場の変化に伴う価格の値下がりに加え、今年は世界的な不況により、「More with Less(少ないコストでより多くを達成しよう)」というキーワードとともにコストダウンが強調され、EDRMモデルの「情報管理」や、新たなカテゴリとなりつつあるECA(Early Case Assessment)に重点を置いたプロアクティブなEディスカバリー対応やプロセスのインハウス化が活発になりました。また、こうしたEDRMモデルの左側を重視する動きに伴い、メールアーカイバーや文書管理システムの導入およびそのベンダーによるEディスカバリー市場の本格参入も目につきました。EMCによるKazeon買収もこうした動きを反映しているといえます。この不況は来年も続くと見られ、2010年も引き続きeDiscovery=Economical Discoveryが鍵となるのではないでしょうか。
